一見、どれも同じように見える送電鉄塔。しかし、それぞれの鉄塔は建っている場所、気象条件等によって、我々と同じくひとつ一つ異なる性格を持ちます。
地震や台風などの天災があっても、できる限り何事もなかったかのように電気を送り続ける鉄塔にするために、細心の注意を払って鉄塔のDNAを刻んでいます。
地形。気象条件。気候の変化。天災。
鉄塔を建てるにあたっては、さまざまなことを考慮しなければなりません。
高さ数十メートル以上。数十万ボルトの電気を発電所から皆様に送る鉄塔が、いろいろな困難に耐えて数十年に渡って立ち続けられること。
ひとつ一つの鉄塔が、強く立ち続けられるように。鉄塔全体の性格を決める構造のDNAを、緻密に、注意深く刻んでいく。それが設計部の仕事です。
基本設計では、送電および通信用鉄塔の設計条件により部材応力を算定し、個材の部材評価を行い、部材サイズおよびボルトの径、本数の決定をします。四角鉄塔の基本設計においては、自社で開発した、条件入力~応力解析、個材の部材・ボルト決定まで一貫して行う自動設計システム“PP5”を使用しています。
構造設計では、基本設計で決定された部材ボルトで詳細構造を設計します。
構造設計においては、自社で開発した図面作成・自動現寸および加工資料の作成を一貫して行う“トータルシステム”およびCADシステムを使用しています。
有限要素法(FEM)解析、塑性および弾塑性解析、電線~鉄塔連成系の3次元地震応答解析のソフトウェアも充実し、鉄塔の部材耐力や終局耐力の評価を行います。
さらに、鋼管の腐食(減肉、孔食)による断面欠損部材の残存耐力評価も行います。
自社開発プログラムとしては3次元地震応答解析(ATLAS/3D)、コンクリート充てん鋼管鉄塔の塑性解析および断面欠損部材の残存耐力評価などがあります。
また、応力解析の汎用プログラムとしては、構造解析プログラム(NX-NASTRAN)および会話型骨組設計システム(ADAM-Ⅱ/GENE)などを使用しています。
各大学および研究機関との協力体制で研究開発を進めています。
現在では、「SH波音弾性法による鋼板の残存応力の測定」をはじめ各種の研究開発を行っています。